メッセージに色を付ける
2つの封筒が届きました。
どちらのほうがメッセージをより強く感じたでしょうか?言わずもがな、後者でしょう。
- 期限までに納付してなかったんだ😱
- やばい、納付しないとまずい😣
さらに、メッセージのほぼ全てが伝わったところで、次にすべきアクションを想起させられるでしょう。 早く中身を確認して、取るべきアクションを明確化させるパワーが後者にはあります。
- 期限すぎると罰金とかあるのかな?💸
- 期限とか、振込先は書いてあるかな?
- 税務署に行かないといけないと、行ける時間が限られちゃうな・・・
仕事上のメッセージ
あることを伝えたくて、それについて詳しい文献を見つけ、チャットで共有しました。 このリンクCTRは果たして何%でしょうか?
つ https://docs.ruby-lang.org/ja/latest/class/Array.html#I_FLATTEN
多少ゆとりがある時でなければ、開こうとは思わないのではないでしょうか? ただでさえ業務は毎日多忙。その中でもしかしたらロードの遅いページなんかだとイライラして最悪です。
では以下だとどうでしょう。何を伝えたいのかコアメッセージが抽出されています。
Array#flatten
の使い方flatten は自身を再帰的に平坦化した配列を生成して返します。 lv が指定された場合、lv の深さまで再帰的に平坦化します。 https://example.com/article/12345678
内容に興味を持ってくれ、その人が抱える課題にミートすることが分かれば自然とコアメッセージの周辺まで興味を持って読んでくれ、あなたが伝えたかったメッセージを十分に咀嚼してくれるのではないでしょうか?
もう一つの例。「○○について」はよくありがちなメールやドキュメントのタイトルです。 このタイトルからどのようなメッセージを受け取るでしょうか?
2019年度健康診断について
では次に、以下のようなタイトルではいかがでしょうか。
【9/11 18:00〆切】【所要3分】健康診断の希望日時アンケートの回答をお願いします
先程のタイトルが視力0.3の視界だとすれば、視力が1.5くらいに上がった気がしないでしょうか。
発信者がコストを負担する
ここまでの例は、タイトルの通り「メッセージに色を付ける」ということの例でした。 しかしもう一つの大事な側面は、発信者がコストを負担しなければ、メッセージには色が付かないということです。
こと教育という観点では教える側はすでに知っている情報をわざわざ再言語化することは直ちにはコストです。「教えてもらう側が必死に吸収すべき」という努力の期待もあるでしょう。
しかし、教育の本来の目的が、スキルや知識を伝搬することによって能力をスケールさせることがであれば、効率よく伝わることが総合的に最もコストの低いスケーリング道ではないでしょうか。抜粋を加えたり、タイトルをちょっと長くするくらい、読み解く方のコストからすれば安いものです。
もちろん、情報を提供される側は、期待された程度・あるいはそれ以上の吸収を望まれているわけなので、こうした工夫にかけられたコストに感謝すべきなのは言うまでもないでしょう。